豆選びで参考にしたいフレーバー表現についての疑問

こんにちは。本題に入る前にこれまでに7月19日にオープンした土呂店に足を運んでくださった全てのお客様へ感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
ワンオペ店主として様々な課題に直面しながらもやりながら改善するフェーズだと捉えており、お客様へご不便をお掛けしている部分があったと思います。店が変化していくフェーズを見守っていただけますと幸いです。
久しぶりにブログを更新するテーマとして掲げるのは、消費者としてコーヒー豆選びをするときに参考にしたい、様々な店舗が豆売り時のPOPに記載するフレーバーノートと呼ばれる味わいの説明書についてです。
本記事を読んでいただくことで、当店以外の店舗で豆が選びやすくなるわけではありません。本記事で訴えたいのは、コーヒー豆販売店が標榜する風味表現は本当にお客様へ伝わっているか(反語)ということ。そしてなぜCOhere’s COffee店主は伝わっていないと考えるのか、COhere’s COffeeでは何を大切に味わいを表現しているのか、というのを伝えたいと思います。
読者の方には、店舗の大小を問わず、コーヒー豆販売店それ自体を選ぶ参考になれば幸いです。

日本人のお客様へ伝える気がないフレーバー表現たち

お店で豆を買いに行ったとき、フレーバー表現をご覧になるかと思います。しかし、はっきり言って「それなんて食べ物?」、「いや食ったことないし」と思うことありませんか。少なくとも偏食で食わず嫌いの私にはあります。そもそもそれスーパーに売ってないじゃんとも思います。よくある例がストーンフルーツ、ザクロ、トロピカルフルーツ、プラム、ブラックベリー、ブラックカラント、アプリコットなどなど。
皆様はこれらを日常的に召し上がりますか?私はこういうのを伝える気がない表現だと思っています。コーヒーの世界は日本基準ではないですから、こういった味わい表現に関しても日本人にとっては不明瞭な表現が多いわけです。コーヒーを勉強している人というのは、「これが(コーヒーの世界でいう)ザクロの味わいだ」というのを刷り込まれて覚えているわけですが、消費者にそれは伝わりません。
結局はコーヒーはコーヒーであり飲み物ですからこれら複雑に表現される表現を見ながら飲めば、「まぁ、言われればそんな気がする」という領域を出ないのです。

数打ちゃ当たるみたいに大量に書かれる風味表現たち

味わい表現が、ひとつのコーヒー豆に5個以上書かれていることもしばしば。多いですよね。しかもこれが先ほどのような馴染みのない果実で並べられていたらもう何が何やらです。それだけ書けば何かしらがそれっぽくなるでしょう。こういった大量に書かれる表現はなぜ生まれるのでしょうか。

情報丸パクリコピペしちゃうお店

COhere’s COffeeは自家焙煎店ですが、こういったお店はコーヒー生豆という、お客様がよくご覧になる茶色い豆になる前の状態を購入します。皆さんが焙煎コーヒー豆を購入するときと同様に、生豆購入時もカッププロファイルという味わい表現が記載されています。
自家焙煎店にも関わらずこれを丸パクリしてコピペしたかの如くそのまま載せているところを見かけます。これは焙煎しない人にはバレませんからね。そして5コも6コも表現が並ぶのでどれかは、「まぁ確かにそんな味するか」と思わせることができるわけです。
当然そのカッププロファイルのものを焙煎しているので間違いではないですが、せっかく自分で焙煎しているわけです、焙煎によって味わいも様々ですから、自分の言葉で説明をするべきだと思います。
さて、ここまで手厳しいことを言うと、「お前の店はどうしてるんだ」という質問が来るかと思いますので、お答えします。

日本語を大切にしたいCOhere’s COffee

まずCOhere’s COffeeでは、馴染みのない果物の羅列はしません。専門用語を並べ立て説明をする人は説明下手だと考えています。
日本語は非常に表現豊かでその日本語を用いてお客様に説明をすることが一番伝わります。先述の通り、コーヒーは飲み物で、たかが飲み物なのです。ただ、飲む人がそれをどんな時にどんな想いで飲むのか、飲みたいのか、心の機微を考え、「こういう味わいがあって、こういう時に飲みたいよね」と表現するのがCOhere’s COffeeの豆売りです。
オンラインショップではお客様がゆっくりとページをご覧になり選ぶことができますが、実店舗となると伝えられる情報は限られます。COhere’s COffee土呂店では日本語で書かれた説明文を添えています。それは単に情報をパクったような、イチゴ風味がしますとか、ミルクチョコの味がしますとかではなく、こういう味わいがあって、こんな気分のときに飲みたいよねとか、疲れた金曜日に甘いものと一緒に飲みたいよねとか、背中をさすってくれるような優しさだよねとか血の通った文章を書いています。更にそれを端的に表したものを豆のタイトルとしてオンラインショップにも商品名に載せています。
数多あるコーヒー豆店のなかで、お客様にとって「そのお店で買う意味」を見出してもらえる店でありたいと思っています。


皆さんのコーヒーライフが軽やかで生きやすい時間でありますように。