最近の”自家焙煎”という言葉の使われ方、違和感について

あなたは自家焙煎という言葉はどういう意味だと考えますか?
読み進める前に、思い浮かべてみてください。
どうでしょうか。言葉にできましたか。
その言葉を少しの間覚えておいていただき、読み進めてみてください。

ここ最近、複数回下記のような自家焙煎という言葉の使われ方を目にしました。
★★CAFEの投稿
「当店では自家焙煎のコーヒー豆を使用しています。●●市の■■ROASTERYの豆を使用しています。」(※解釈の内容が変わらない程度に改編しています)

私には大変違和感を感じる表現ですが、みなさんはいかがでしょうか。
非常に簡単に私の違和感を言語化すると下記の通りです。
★★CAFEが■■ROASTERYの豆を使用しているのならば、貴店は自家焙煎のコーヒー豆を使用していると言うべきではない。
ということです。
冒頭、みなさんが思い浮かべた自家焙煎の意味と、この投稿で使われている”自家焙煎”という言葉の意味に違いはありましたか。
違和感がある方は私と同じことを思っていると思いますので、貴重な時間を使ってまでこの先を読む必要はないかと思います。ブラウザバックでOKです。引き続きCOhere’s COffeeをよろしくお願いします。
違和感がない方はあなたが今後コーヒーをより愉しむためにも読み進めてみてください。
先に結論を言うと、今回の事例のような”自家焙煎”という言葉の使われ方をされてしまうと世の中すべてのカフェが自家焙煎ということになり、もはや自家焙煎という言葉には意味がありません。今回の事例は単純に仕入(購入)した豆を使っているだけです。それは自家焙煎ではなく、あえて限りなく似た表現をするならば、”他家焙煎”です。
自家焙煎という言葉は「自家」という言葉と「焙煎」という言葉の組み合わせです。
自家とは自分の家という意味です。今回の文脈でいえば自分の家もしくは自社工場という意味でしょう。
焙煎とはコーヒー豆を煎ることです。
したがって、自家焙煎とは仕入れたコーヒー生豆を自分の家(自社工場)で煎ることです。
私は自家焙煎という言葉の意味を上記のように理解しています。
だから、今回の事例である★★CAFEがするべき表現は、「当店は自家焙煎店のコーヒー豆を(仕入れて)使用しています」がふさわしいと思います。私の心情的には「自家焙煎」という言葉すら使って欲しくありませんが…
このような”自家焙煎”という言葉の使い方は、自家焙煎店の価値を落とします。これが許されてしまえばコーヒーを提供するカフェはすべて自家焙煎と言えることとなってしまいます。極端に例を挙げると、スーパーで買ってきたコーヒー豆を提供しても自家焙煎です。
おかしいと思いませんか?
COhere’s COffeeは自家焙煎です。もし、当店の豆を使ってくださるお店には決して★★CAFEのような言葉の使い方をして欲しくないと思います。それなら普通に名前を出していただいた方が良いですね。
では。